くじらの町へ

くじらの町 こと、和歌山県太地町へ行ってきました。
同じ和歌山県といえど、市内からだと車で3時間半ほど。最南端までいって、ちょっと北上して到着です。

今回の目的は、たいジオ。さんと和歌山大学が主催するジオツアーへの参加。大学の先輩が主催のお一人という縁があって参加させて頂くことに。ジオツアーが何かよく分かっていない私。調べてみるとこういったもののようです。

たいジオ。さんとは、太地町を中心に活動する南紀熊野ジオパークのツアーガイドさんたちのこと。じゃあジオパークって?
まだまだ聞き慣れない言葉ですが、ジオとは地球を意味し、地形や岩石などの自然遺産を「公園」としその成り立ちから自分たちの暮らしとの関わりまでを考えるきっかけを与えるもので、日本では36地域が選定されています。(2014.12時点)
新宮、白浜、そして太地を始めとする紀伊半島南部地域9市町村が南紀熊野ジオパークとして指定されており、観光地として有名な橋杭岩や千畳敷、那智の滝もジオサイトといえます。

ちなみに今回は「防災」を切り口としたツアー構成で、参加者30名ほどでまちを巡りながら景観の成り立ちや防災について学びます。

2015-06-13 13.25.23-1

たとえばこれ。岩門(せきもん)という大きな岩にぽっかり穴が空いたジオサイトですが、自然にできた地形ではありません。
海と集落を隔てる岩に、住民が開けた穴。太地町の産業である漁への動線を確保するために開けられたそう。

2015-06-13 13.29.36-1

集落の様子。建築的にも興味深い町で、和風の木造住宅がほぼ全てペンキ塗りです。不思議な感じ。
海外に漁に出た際、船のメンテナンスを自分たちでするためにペンキの技術を学び、ペンキを輸入して住宅に塗装したという歴史があるとか。淡い色合いのツートンカラーで塗装されています。また、洋風の住宅もちらほら。

瓦に[水]と彫り込まれた住宅もありました。これは過去に太地町でおきた大火事の経験から、瓦をお守りのように扱っているそうな。

2015-06-13 13.44.36-1

マンホールもくじら。
2時間ほど歩いた路地はあんきょ(地中に埋没された水路のこと)となっていて、津波の際は陥没する恐れもあり、これを念頭において避難計画をたてる必要があるなどのお話を聞きました。

防災の観点からまちをみるってこういう事か、というのがよくわかるツアーでした。太地町は景観的にも建築的にも文化的にも面白いまちなので、ぜひたいジオ。さんのツアーを聞きにお出かけしてみては。

ちなみにおやつに町内にある和菓子屋・亀八屋さんの「てつめん餅」を頂きました。おモチが信じられない柔らかさで衝撃。ぜひ食べて帰るのをオススメします!