東西に長く北に開かれた角地の敷地に、南側に隣家が建つという敷地条件であった。クライアントからは「明るく広いイエと持込の家具に合う雰囲気で」とご依頼頂いた。

敷地形状からコンパクトなプランニングをよぎなくされたが、ダイニングキッチン、お風呂と和室から見られるプライベートな中庭を吹き抜けでつながることで空間をダイナミックに演出し、外にいながら中でいるような半屋外の空間「吹抜けテラス」を獲得することができた。敷地の中心に吹抜けテラスを設けることで、光溢れる室内を手に入れることができ空間を最大限に広く見せてくれている。

また、外壁からせり出すように設けた多目的な大階段は、時間、年月の経過によって使い方を変えられる場所となり、北側の左右のスリットとトップライトから光と風の入り方に多様性を持たせることができた。そして吹抜けに併設された旦那さまの要望であったステンレスのアイランドキッチンは家族の団欒の中心になっている。

持込みの家具との相性や自然素材などの木のやわらかな質感にこだわった。寝室はホテルのような落ち着いた設えにするために自然光を抑え、暖かみのある素材・色を選んだ。