漫画家のメグマイルランドさんの新刊「34.231895 135.1632732」の、
デザイン・編集を担当させていただきました。
今年8月にnormで行われた水谷智美さんとの二人展「座標」で初めてメグさんの漫画に触れ、
そのイマジネーションの豊かさと力強い表現にすっかりファンになりました。
「地産漫画」という試みとして展示されたネームはまた特別で、弊社も事務所を構える西本ビルを舞台にした少年の物語。
毎日見ている景色に彩りが重なり、VRで見ているような奥行きがあって感動したのを覚えています。
それがまさかデザインをさせていただけるなんて!
ただのファンの立場で、完成が楽しみだなーと思っていたわたしに教えてあげたい!
詳しくはあとがきに書かれているのですが、この物語が生まれたのは想定外だったそうです。
メグさんが西本ビルに出会ったときの心の動きによって始まったプロジェクト。
その「個人的な思い」を形するというコンセプトで装丁をデザインしました。
物語の始まりとなる手紙をモチーフに、そっけないボール紙に綴じた紙面。
糊あらわしになった背、極めつけは100冊すべて異なる表紙の手仕事感。
なんとタイトルはすべて作家本人による手書き、
かつ糊付けされた紙も彼女の個人的なコレクションなのです。
この手間を惜しまず協力していただけたおかげで、物語の中だけでなく、
こちら側にもひとがいる、という不思議なニュアンスを生むことができたかなと思います。
さて、タイトルの数字の羅列はなにを意味するのか?
西本ビルでなにが起こるのか?
THE OFFICEは登場するのか??
ネームと完成版では違う箇所があるのもファンにはうれしいポイントです。
(巻末付録としてネーム版も掲載されてます)
わたし個人としては冊子デザインは初めての試みで、考えるポイントが多く、楽しくお仕事させていただきました。
ちなみにこの漫画は先日のCOMITIAでお披露目されまして、今後の購入方法は後日告知されるはずです。
特別コラボ製本版は100部限定なので、ぜひチェックを〜
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photo by Homare Kashihara