MUYAが白浜町の温泉街の古いビルに引越しをしたのは今年の2月。
撫養夫妻は大切な友人であり、勝手ながら戦友?のような関係であると思っている。業種は違えども、同年代で作り手として同じ和歌山にいて、挑戦し続ける姿を見て、いつも刺激をもらっている存在だ。オープンしてからコロナで行けてなかったので、ようやく娘ちゃんのお祝いも兼ねていってきた。
アパレルブランドがビル1棟を改修?喫茶?ホテル!?
はじめ構想を聞いたときは、なかなかなチャレンジでびっくりした。しかし、服作りに限らず、撮影やデザイン、プロダクトなど幅広く表現する場を広げていく彼らをみて、ひょっとしたらひょっとするかも。そう思えた。
場所は、白浜町の温泉街の中心地。白良浜のメイン通りから歩いて数十メートル登った場所にある。商店が少し残る本町通りは静かで昔ながらの路地性を残しており、高低差がありながら角を曲がるたびに違う風景に出会うことができる。
設計・施工はdept(大阪)が担当し、家具・小物をスタジオドーナツ(東京)やスタジオキイ(和歌山)、Landscape Products(東京)ら、調度品の隅から隅まで錚々たる面々が手がけている。1階は喫茶・BAR、2階は物販、3階が宿泊所となり、複合的にMUYAのコンセプトを伝えるデパートのような作りだ。
まぎれもなくMUYAを中心とした集合体
素晴らしかった。
元JAの銀行の雰囲気を残しながらも、明快で聡明なリノベーションだった。
濃い木質とグレーのモルタルや現しになったコンクリート、荒さが残る土壁。既存の天井や木下地をうまく活かし、閉鎖的でありながら天井が高くハイサイドからの採光で十分な明るさを得ている。そこへ手仕事でつくられた家具や小物、既存の照明などがアクセントでうまく配置されている。銀行ならではのスケール感と空間構成を、楽しみながら料理しているのが目に浮かぶ。たびたび光のコントラストの大胆さに息を飲んだ。
deptがすごいのか、MUYAがすごいのか、それはわからないけど、笑
まぎれもなくMUYAを中心とした集合体であり、温かな家族に迎えられる田舎のvillaのようで、また、アートギャラリーのような趣もある。
これだけMUYAを中心とした豪華な面々がかかわっていながらも、主張しすぎず、抜くところは抜けていて、元の空間の特性や素材をうまく活かした空間。古ビル好きにはたまらない。なんといっても落ち着く空間だった。
感情的にならざるを得ない。
難しい言葉でまとめたくない。
どこを切り取ってもいい。
撮りたくなる空間。
というわけで7月23日から宿泊業「MUYA HOTEL」がスタートする。
先が読めない世の中だけど無謀であっても志高く挑み続けたい。そんな意気込みを感じていい刺激を受けました。超絶おすすめなので、白浜に旅行がてらMUYAに泊まって、ぜひゆっくりしてみてください。周辺散歩も楽しいのでぜひ。
____________おまけ
翌日に連れていってもらった千畳敷。ストーン好きとしては堪らない岩シリーズ。
また海岸沿いで九十九(つくも)さんが運営されているスタンド「99COFFEE」。
プレハブがいい感じでゆるく力が抜けていてかっこ良かった。