では後半。
今回一緒にお仕事をさせていただくのは岸本千佳さんという、京都で独立して不動産業をされている方。なんと同い年、しかも独立2年目ということでものすごく親近感を覚えてしまう私。大学時代は建築を学んでいたということもあり、「いい感じの敷地」のニュアンスが伝わえる方です。アバウトな表現だなあ…と思われる方もいると思いますが、実はこの「いい感じ」が伝わるっていうのは大事なことなんです。
建築の魅力ってカタチだけじゃなくて「どんな場所に建てるか」ってことに依存します。
それが建築の面白みであり、難しさだと思います。本当なら自分の足で街中歩きまわって「いい感じの敷地」を見つけたいところですが、中々そうもいかない。そうなると土地のプロ・不動産屋さんの協力なくしてはなりません。
だけど、私たちのイメージが伝わる不動産の方はそうそう居ないというのが現状です。駅が近いとか、通りに面してるとか、スーパーが近いとか、スペックの良さだけを求めている訳ではないんです。「予算はかけられないけど、いい家を建てたい」という気持ちで設計事務所に相談に来てくれるクライアントには、「敷地が高台にあって坂道は急だけど、見晴らしがよくてきもちいい」とか「変形地だけどその分地価が安くて、面白い建築ができそう」って考え方のほうが求められていると思うのです。
岸本さんはやはりそういった感覚を持ち合わせているだけあって、設計事務所からのお仕事も多いのだとか。ぜひ和歌山にもそういう感覚をもった不動産の方がいたらなあ…と思うのでした。
打ち合わせは京都市内のcafe maebleでしました。あっという間の2時間弱。ごちそうさまでした。
さて。
実は今回の(仮)きょうとのいえプロジェクトのクライアントは私の友人。(うれしいことです。)岸本さんとの打ち合わせの後は、その友人が普段行きつけというカフェ(バー?ショップ?本屋?)に寄ってみることにしました。iroiroさんです。
靴を脱いであがるスタイル。店内は無音なので、街の環境音が響きます。自転車が通り過ぎるおと、子どもたちの話ごえ、シャッターを開けるおと… 入り口は開け放たれて、店内にいるのにまるで縁側にいるようでした。普段見慣れない本やzineが沢山あって楽しい。
あまり馴染みがなかった京都ですが、これから少しづつ近づいて行きたいと思います。
さあ、まずは敷地探しがどう実を結ぶか楽しみです。
みちうえ