平安の時代から多くの歌人に愛された景勝の地である片男波海水浴場を1日限りの「海辺のリビング」へと変容させるプロジェクトである。カウンターキッチンと茶人がお茶をたててくれる鉄の茶室、そして15mにもおよぶ巨大なダイニングテーブルの大きく3つのユニットに別れており、ダイニングテーブルを担当した。

3mx5UNITで構成された総長15mの巨大なダイニングテーブルは、ボルトと簡単なビス留めのみで組立・設置が可能である。フレームは建築会社で使われなくなった2×4(ツーバーフォー)の廃材を使い、2面のみプレナー掛けとし出来る限り素地を残すことにした。テーブル天板は廃材として眠っていた30mm厚の杉板をそのまま使用し、面として剛性をもたすことで重要な構造材として役割を担っている。棟木に摘みたてハーブやドライ、ブリーザーブドフラワーを吊るし、テーブルには海風や日差しに強い多肉植物などで空間を豊かに演出した。

「今ある資材を使って、和歌山の場所がもつ潜在的な力を最大限に引き出し、非日常を日常化する」をコンセプトに、おのおのクリエイターが空間を造り上げた。

「LDK PROJECT (on the beach)」
@ミチシオ祭 和歌浦アート&クラフト2014