海南市内に建てられる60代のご夫婦と、30代のご夫婦とお子様1人のための木造2階建ての2世帯住宅である。プライベートな大きな中庭を囲みながら2世帯が距離感を保ちながら生活できることを目指した。

周辺には山々が広がり視界も環境も良好で広大な敷地ながら、2世帯住宅が各階で別れて暮らすという生活はなんとなくしっくりこない。中庭を介して各世帯が適度に見える関係で生活できるようにパブリック空間を1階に集約し低く広く建てるプランニングを提案。親世帯は平屋とし、子世帯は2階に寝室、子供部屋を配置した。各世帯へは共有の和室と2階デッキテラスとで繋がる。お互いが存在を確認し合いながらも適度に距離感を保つことができるには、どれくらいの中庭が必要か、そして子世帯のリビングに採光を確保できるサイズの検討を行った。

外装は、親世帯を砂漆喰の掻き落としで仕上げ、子世帯を黒いガルバリウム鋼板とし、アクセントに構造材を無垢現しとしダイナミックに仕上げている。内装は各世帯を違う素材や空間で構成しながらも、プランニングや遠近感を使って、ある一体感を演出している。