30代のご夫婦とお子様1人のための2階にセカンドリビングを持つ家である。

クライアントとは土地探しから同行させてもらい、いくつかの候補地からアドバイスをさせて頂いた。クライアントの要望は、「できるだけ建物の空間や家具に予算をあてたい。他にはないような住宅で自由な設計にして欲しい。」であった。土地の選定では、立地もさることながら、必要最低限の床面積を確保できてできるだけローコストな土地の購入を勧めた。「小さく建てて明るく広く見える工夫をしましょう。」が当初からのコンセプトであったため、南側に建物が建つが東西に開かれたこのコンパクトな敷地を選定することになった。

コンパクトながらも2階にセカンドリビングをもつ空間構成を提案。ご夫人は、ギターや洗練された雑貨、玩具の収集やバイク、車に乗るのが趣味だったので、それらにマッチングした色合いと2Fに趣味室をもたせた。お子様の空間としても機能し、時間の経過と共に家具や雑貨などで多様に使い続けられる空間を可能にした。

セカンドリビングの床はスケルトンのすのこ状とし、南の2階から1階へと光を落とすこと、空気、気配のつながりを重視した。つながる2階のワークスペースは天井を構造材現しとし、ダイナミックに空間を繋げた。

外観は、シンプルに白漆喰と黒のガルバリウム鋼板とし、アクセントに板張りを使用。玄関の庇は雨天時のバイクや車を守ることを想定している。

また、すべての開口部に優れた意匠性と共に断熱気密性能を高めた高断熱サッシ「SAMOSⅡ」を使用している。