2018年5月に旧西本組本社ビル1階 normにて行われる、木工作家・盛永省治氏による個展のアートワークである。
盛永氏はウッドターニングと呼ばれる、木材を回転させながら形を削り出す手法を用いて作品を制作しており、国内外での個展や合同展を中心に作品を発表している。彼の特徴の一つは生木のまま加工すること。ターニングされた左右対称の美しい形から徐々に乾燥させ、心材、辺材で収縮の度合いが異なり歪な形が出来上がる。他にも樹皮を残したり、乾燥の際に起こる割れを取り入れたりと、最後は木の特性と時間に委ねて完成するような作品を作り続けている。
DMに用いる写真は会場であるnormにて撮影を行った。フチ部分のゆがみや心材部分の割れ、さらに凹凸のある表面に現れた揺れるような木目や、明暗が伝わるよう作品の一部をクローズアップした構成とした。写真を全面に配置した中に、レイヤーで重なったようにさりげなくテキストを添えている。印刷は厚手の上質紙を選択し、柔らかく光が反射する様子を表現した。
展示会では大小様々な沢山の作品が並び、圧巻だった。DMの写真に使用した作風はほんの一部で、シンプルなもの、珍しい樹種を用いたものや、オブジェも並んだ。作品の形ははじめから頭にあるのではなく、木を触っているうちに形づくられていくのだという。盛永さんと会話していると、彼が話しながら作品をずっと触っているのが印象的だった。木が、身体の一部のような人だと思った。
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