和歌山市内にオープンした窓話(ソウワ)のためのアートワークである。内装設計に加え、ロゴ、ペーパーアイテム、ウェブサイトのデザインワークに加え、表札、看板製作を担当した。
窓には内と外をつなぐものという意味がある。内と外、オーナーと客、客と客。ふたつのものの間をすっと静かに風が通り抜け、そこにぽつりぽつりと言葉がのっている。その言葉が積み重なり会話になり、時間になるようなイメージ。ロゴは空間がもつ端正な雰囲気と、手書きがもつゆらぎ、そして〈窓〉という文字を風通しのいいものにしたいと思い、文字を抽象化し、点や短い線で表現した。
ペーパーアイテムは細く横長のデザインとし、和紙のような手触りのある素材を選択。ショップカードには薄いグレーの色に重ね、オーナーが昔souwaをテーマに描いた絵の一部を背景にした。
店舗の表札は昔ながらの木製の表札とし手書きで制作。昔からそこにあるような佇まいを目指し、扉の横にさり気なく配置した。ちなみに入り口の扉は倉庫の室内で使用されていた引き戸を移設したものである。また、通りから目印となるようにと合わせて看板も制作。砂糖倉庫として掲げられてた看板用の金物をそのまま使い、内装の壁と同じペンキで着色した木製の看板を掲げた。
souwaから窓話へ。連続する活動のようにも感じるが、名前を分けたことに彼女のこれからへの決意を感じる。今まで考えてきたこと、やってきたことを大切にしながらも、より、味やビジュアル、空気感といった表現をダイレクトに届けていく。この建物で、そして街に新しい風が吹き抜けることを楽しみにしている。
窓話
和歌山市新中通4-9
073-499-7005